猫という生き物は目ざとい。
いつも置いていない物が、置いてあると一目散に駆け寄りスンスンとニオイを嗅ぎチェックする。
そして、これは自分の物だと言わんばかりに唇の端っこを押し当てニオイを付けまくる。
箱があれば強度や中身が何であろうとお構いなしに乗ってしまう。
そのせいで我が家のティッシュペーパーの箱は少々潰れ気味だ。
いつも開いてない戸が開いてると、中に入って確かめずにはいられない。
それが押入れならば、お昼寝なんぞしながら居心地の良し悪しを納得するまで確かめる。
そういや、ドラえもんも押入れを寝床にしてたっけ?
ふくちゃんもドラえもんと同じく押入れが大好き。
換気のため普段は閉めている押入れの襖を、たま〜に開けている時がある。
そんな、ふくちゃんにとってレアな日は押入れの中で仮眠を取るって決めてるらしい。
午前中に家の中をひと通りパトロールしながら、押入れの襖が開いてるのを目ざとくチェックする。
見つけた時は軽く中の様子を下見するだけに留めておき、続きは午後からのお楽しみに取っておく。
その際、押入れを狙ってることがバレたらTHE END…
直ちに襖が閉められ午後からのお楽しみタイムがなくなってしまう。
昼ごはんをそそくさと食べて気付かれぬよう、そっと姿を消す。
誰にも邪魔されず押入れの中で過ごしたいのだろうが、残された家族はそれはそれは焦るってもんだ。
さっきまで其処に居たはずのなのに忽然と姿を消すのだから。
家中、探し回っても見つからないから焦りが募る…
もしかしたら気づかぬ間に脱走してしまった!?最悪な事態が頭を過ぎる。
飼い主が血眼になって探してる最中、当の本人はグースカ、グースカ押入れの中で眠っているのだ。
それならば仕様が無い。安眠を妨げてしまい、寧ろ申し訳なさも感じる。
でもそういう時ばかりではない…
「なに、必死で探してはりますの?」
必死で探す飼い主の様子を押入れの中の物に擬態しながら、傍観していることも多々ある。
「ふくーーー!」
「ちゅ〜る食べるーー?」
大声で叫びながら家中を探し回る。
そんな必死な飼い主に気付いているなら存在をアピールするか、小さくでもイイのでニャンと返事してほしい。
普段は「ちゅ〜る」の「ちゅ」だけで、目をキラキラさせてニャンって返事しながら駆け寄ってくるくせに〜!
肝心な時ほど無反応を決め込んでくる。
いや、あれはきっと確信犯やね…
探し回る飼い主に気付いて途中で居場所を移動してるなんてことも絶対あるはず!
さっき、そこ探したのに〜!ってとこで発見することもザラやし。
そんな、ふくちゃん
肝が座ってるのか、はたまた長いものに巻かれる主義なのか押入れの戸が閉められても動じない。
押入れの中にふくちゃんが居るなんて夢にも思わず、誰かが間違えて戸を閉めてしまったなんてことも…
そこでもニャンニャン鳴き喚く訳でもなけりゃ、カリカリ戸を爪で引っ掻く訳でもない。
「じゃあ、昼寝でもしながら戸が開くまで待ちましょうかね?」なんて静かに爆睡している。
そして行方不明に気付いた家族は必死で家探しするというお決まりのパターンに…
なお、この手のパターンは押入れの戸が最初から閉まった状態のなか、ふくちゃんは爆睡中ときてるので捜査の難易度は非常に高くなる。よって真夏の押入れは特に注意が必要となる。
てな訳で今回の捜索は押入れの戸が全開で中の布団も干されて少なかったため事件は素早く解決いたしました。
やはりドラえもん然り、顔がまるい猫は押入れを寝床にするのが好きなのでしょうかね?