こんなことばかり言うのもどうかと思うが毎日暑い。
暑さのせいで耳の中にまで熱がこもり、ジットリしてくるのだろうか…
最近のふくちゃんは耳が痒いご様子。
後ろ足でカイカイと掻きまくる。
耳の外側が少し赤くもなり毛もほんの少し薄くなっている。
もともとふくちゃんは左耳が弱い。
子猫の時分から左耳だけ汚れが溜まりやすい。
当初は外耳炎や耳ダニかもしれないと、それはそれはいろいろな治療をしたものだ。
前の病院では割と強い塗り薬を処方されてたようで一時は耳の下の毛がハゲてしまった。
良かれと思って必死でやっていたことが裏目に出てたんだろう…
一向に症状が良くならない、それどころかハゲてきてるし!!
不安を覚え今お世話になってる病院に転院したのだ。
今までの経緯を話したところ多分、元々の体質なのだろうということで落ち着いた。
マメに耳掃除をすることと何かあれば病院へ連れて行くという形で様子を見ていくことになった。
今、通っている病院は先生も信頼できるし些細なことでも聞きやすい。
ふくちゃんも担当の先生のことが好きそうなので、いい病院が見つかって良かったと思っている。
そういえば子猫の頃の写真のふくちゃんは耳の周りがテッカテカ。
耳の下のハゲた部分の毛が永遠に生えてこなかったらどうしよう…
それはそれは心配したものだ。
塗り薬を止め少し経った頃、薄らと毛が生えてきたのを見つけたあの瞬間!!
家族みんなで喜んだのは今でも鮮明に覚えている。
そんなこんなで今回も耳がカイカイなので病院へ行くことに。
今回は目の周りも少し炎症があるようなのでそれも診てもらおう。
毎回のことながら尿検査もしてもらわなきゃ!
あと年一の健康診断もと盛りだくさんの内容。
前日から準備万端に体制を整え、朝一でトイレを確認して採尿する。
その後、ふくちゃんに勘付かれないよう各部屋のドアをそっと閉めてリュックに入れる。
「ニャー、ニャー」(助けてー、誰か助けてーー)
多分そんなことを叫んでいるんだろう。
でも悲しいかな家にいる者全員、今はふくちゃんにとっては敵でしかないのだ。
リュックのポケットに保冷剤を入れ、いざ出発。
飼い主、車に乗れないので自転車で病院へ。
マスクをしていることを良いことに道中、ふくちゃんに話しかけながら自転車を漕ぐ。
「暑いね〜」(リュック越しに5.4kgの熱気がムンムン感じられる)
「セミさんが鳴いてるね〜」(余計に暑さが助長されるやないの〜!!)
「肩が外れそうやね〜」(リュック+ふくちゃんで余裕で6kg超えてるよね…)
ふくちゃんにガン無視されながらも、ひとりブツブツ喋りながら病院へ向かうのだ。
すれ違う人はさぞや恐ろしい光景だったろうな。
そうこうしているうちに病院へ到着。
リュックのファスナーを開け、ふくちゃんの様子を確認。
漬物石然り、リュックの中にしっかりと詰まるふくちゃんの身体を保冷剤で冷やす。
当の本人は暑さなんてお構いなしに漬物石になりきり気配を消している。
順番がやってきて診察室に入り、リュックから出される。
「先生、こんにちはー。なる早で終わってね」
先生にお尻を向けたまま挨拶をする。
ここが診察台の上じゃなかったら先生にスリスリしながら挨拶するんだけど。
先生のことは好きだけど、ここは病院。
病院はあんまり好きじゃないの…
そんな葛藤の末、お尻を向けたままの挨拶がふくちゃんの唯一の抵抗なのです。
さてさて、本日の流れはまずは目を診てもらい健康診断の採血、それから耳掃除。
最後に尿検査の結果かな。
ってことで、まずは目から…
目薬をさしてもらい目の周りの炎症が酷い部分に軟膏を塗ってもらう。
次に採血…
念のためエリカラを装着される。
先生が手にしたエリカラが思ったより小さかったので飼い主、思わず聞いてしまった。
「エリカラ小さそうですけれども大丈夫ですかね…?(苦笑い)」
「多分、いけると思います……大丈夫そうです、ボタン留まりましたよ(笑)」
無事、エリカラを装着できたのを合図に保定する看護師さんがもう一人追加される。
コロリと身体を横向けにされた瞬間
「いや〜ん」
何とも間抜けなふくちゃんの鳴き声が診察室に響く。
その後、鳴くでも暴れるでもなく静かに静か〜に採血されるふくちゃん。
その姿はまるで海辺に打ち上げられたゴマアザラシ。
昔、好きだった少年アシベのゴマちゃんをふと思い出す。
ゴマちゃん可愛かったなぁ♡
私もゴマちゃんと暮らしたかったんよなぁ〜
そんなことを思いながら診察台の上に横たわるフクゴマアザラシの姿を静かに見守り応援する。
ある意味、その夢は叶ってるっちゃ叶ってるよね…フクゴマちゃん♡
次が本日のメインである耳掃除。
冒頭にも書いた様、ふくちゃんは生まれつき左耳だけ汚れやすい。
例の如く本日もやっぱり右耳はキレイなのに、左耳だけ汚れている。
綿棒でキレイキレイしてもらう前に、耳の中を少しふやかし汚れを柔らかくする。
耳にカット綿を入れてもらいクルクルとマッサージ。
諦めなのか?いや、もしかしてだんだん気持ち良くなってきている??
されるがままにイヤーマッサージされてるふくちゃんの姿が何とも可愛い♡
その後、綿棒で耳をキレイキレイにしてもらい点耳薬をさしてもらい無事終了。
本日の主役、ふくちゃんの出番はここまで…
「ふくちゃんはカバンに戻っていいよ!」
先生の鶴の一声で勢いよくカバン中に帰っていくふくちゃん。
最後は尿検査の結果。
ストルバイトも出てなく結果も良好でほっと一安心。
前回の尿検査からしばらく間があいてるから心配だったけど良かった。
そんなこんなで約半年ぶりの病院は滞りなく終えることができた。
えっ!?もちろん帰り道も、ふくちゃんに話しかけながら帰りましたよ。
家に近づくにつれリュックの中でゴソゴソと体勢を変えるふくちゃん。
その衝撃に飼い主の肩は再び悲鳴をあげながらも、ようやく家に辿り着く。
帰宅後、病院での様子をみんなに伝える飼い主。
ご褒美ちゅ〜るを食べながら家族みんなに褒めちぎられる、ふくちゃんは何だか得意気。
そして、ほっと一息つく間もなく通院後のルーチンワークに取り掛かる。
行きはあんなにも嫌がってたリュックを入念にチェックする。
短いあんよで立っちしてスンスン、スンスンとニオイを嗅ぐ。
本人は至って真剣なのでしょうが、その後ろ姿はアライグマにしか見えない。
ゴマアザラシになったりアライグマになったり病院へ行ったり…
兎にも角にも誰よりも忙しい一日を過ごした、ふくちゃんなのでした。